MITSUO SUZUKI photography


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出会い

 

私のプロフィールに掲載されている写真は、約100年前にドイツのCarl Zeiss Jenaという国営企業が製造したレンズで撮影していて、現在作品制作はすべてそのレンズを使用しています。

このレンズは、3年前に銀座のカメラ店でとても古い大判カメラとレンズ3本セットを30,000円位で購入した時にオマケで付いてきました。現在とは絞り値の表示が異なり(絞りがF値で無く、絞り径がミリメートルで表記)非常に使いにくくてオマケに付けたのだと思います。
しかし、そのレンズはとても造りが良く出来ていて、コストなど考えず当時出来る限りの設計や技術や素材を使い、すべて人の手によって精巧に製造をされたものでした。

そのレンズで試しに撮影をしてみたら、現代のレンズには見られない非常に柔らかい独特な描写で、当時自分が作品制作でうまく表現できなかったものが見事に写り込んでいて、とてもビックリしました。
それまで機材への関心はほとんどなく、本当にプロなんですか?というくらい僅かしかカメラやレンズを持っていませんでした。
表現したいように撮影出来ないのは自分がまだまだ未熟なんだと思っていたが、それだけでは無い事に気付いて、目からウロコ状態でした。

最近古本屋で購入した「芸術新潮」という美術誌の1982年9月号で、写真家の藤原新也氏がフランシス・コッポラについて書いた文章の中で、
「写真家は撮る対象や素材に応じてメカやフィルムを変えることがある。逆にある特殊なフィルムとカメラを与えられた場合、すぐれた写真家はすぐにでも、そのフィルムやメカに応じた被写体が何であるべきかという正確な嗅覚を働かせる。」
と話していました。

このレンズとの出会いで、創作においての道具の重要性を知り表現の幅も広がりました。

それと同時に、自分の視野の狭さも思い知りました。

| - | 16:43 | comments(0) | - |
記憶

たった今、英文でこんなメールが届いた。 

『あなたの写真、とても好きです。 
私たち多分会った事あると思うんだけど、 
どこで会ったか憶えてないんだよね。』
とだけ書かれていた。 

一昨年の夏に、南フランスの小さな街の 
写真の祭典で知り合った写真家からだった。 

私はすぐに返事を書いた。 

『私の写真を憶えていてくれてありがとう。 
私憶えています、あなたの事。 
もちろん、あなたの写真も。』

| - | 02:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
Portrait study, 1998

 

これもライティングや技法を試していた時期の習作。
時間の経過を付け加えたくて、撮影した作品に幾つもの工程を重ねていた。
撮影はモノクロのブローニーフィルム、最終的に4X5のカラーポジフィルムで複写している。

| - | 00:08 | comments(0) | - |
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