MITSUO SUZUKI photography


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Portrait Study, 1998

 

ライティングや技法を試していた時期に撮影した作品。
高塚省吾画伯が描く油彩画の暈しが好きで、写真でその暈しを再現出来ないかと考えていた。

レンズ前に装着したガラスフィルターにワックスを部分的に塗って暈している。

| - | 03:14 | comments(0) | - |
クリスト

 

2月12日より、ニューヨークのセントラルパークで、作家クリストとジャンヌ・クロード夫妻のプロジェクト"The Gates"の展示が始まっています。この展示を計画した1980年から25年過ぎ、やっと実現したプロジェクトです。
展示内容は、セントラルパークの歩道に、オレンジの布が垂れたたくさんのゲートを建てたもので、クリストのサイトの、"Complete infomation on: The Gates"を御覧いただくと、その詳細がわかるかと思います。

クリスト、ジャンヌ・クロード オフィシャルサイト

http://www.christojeanneclaude.net/

クリストは、1991年実現したプロジェクト"The Umbrellas"の、茨城県での展示で初めて作品に触れたのですが、田園風景に立ち並ぶ青い巨大アンブレラが、景観に見事にハマっていて、その壮大さにとても感銘を受けました。
クリストのすべての作品は、プロジェクトにおける政府機関や公共団体への書類の申請、交渉、地主への許可など、すべて自分で行っているそうです。制作費用についても、自分のプロジェクトに他から干渉されないよう、プロジェクトのドローイングやポスターなどを販売し、すべて自費で行っていると聞いて、とても驚きました。
ちなみに今回の"The Gates"では、約20億円強の費用がかかったと聞いています。

1993年、代官山のヒルサイドテラスで開催された"クリスト展"で、ご夫妻が来日し開催されたレクチャーに参加したのですが、当時まだ進行中であった"Wrapped Reichstag - 梱包されたライヒスターク(旧ドイツ帝国議会議事堂)"と"The Wall"、そして今展示中の"The Gates"のプロジェクトの解説を聞いて、とても緻密な計画に基づいた作品づくりに、うなづくばかりでした。
また、20歳代前半に知り合って以来ずっとご一緒と言っていた、クリストとジャンヌ・クロード夫妻のとても仲よさそうな姿が印象に残っています。

クリストの作品はもちろんですが、自分の創作に一切妥協しない直向きな姿勢は、とても尊敬しています。

今回のセントラルパークの"The Gates"の展示にあわせて、代官山のヒルサイドテラスでも27日まで、ドローイングやポスターの特別展示をしていますので、ぜひ足を運んでみてください。

ヒルサイドテラスのサイト

http://www.hillsideterrace.com/artevent.html


※掲載写真は、レクチャーでの図録(直筆サイン入)と、プロジェクト"The Umbrellas"で使用された布の一部です。

| - | 19:40 | comments(0) | - |
消える

音楽の世界で良い演奏をしたときの言い方で「消える」という言葉があると聞いた事があります。 
テクニックを押し出したり、または下手な演奏をすると、その楽器が目立って聴こえるが、ボーカルや他の楽器を理解し引き立て、うまく馴染む演奏をすると、その楽器の存在が「消える」ことがあるそうです。 

以前、海外の著名なミュージシャンのライブに行った時にその事を実感したのですが、最初は「何か物足りないな....」とか「何か、普通.......」などと感じていた演奏は、時間が経つにつれ、ボーカルの唄を聴衆に心地よく聴かせるための演奏だと気付き、それからは音全体がとても充実した満足感あふれるものに聴こえて来ました。 
シンプルながらも最後まで飽きる事は無かったそのライブは、今でもとても印象に残っています。 

自分の体験では、音楽に限らず、絵画、彫刻、写真など、様々な作品において、今まで感銘を受けたものには、そのようにじわじわと良くなり、いつまでも心に残る事がよくあります。 
実は、この「消える」事は、作品をつくる上で大変難しく、高度な技術や感性、作品への理解力、表現力、また創作に必要な道具を熟知する事....などなど、多くを必要とするのだと、つくづく感じています。 

自分が撮影する時も、テクニックや手法で作品を見せるのでは無く、被写体の存在感がストレートに表現されるよう、常に「消える」ことを心掛けています。 

 

| - | 20:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
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